消火というのは燃焼の逆ですので、燃焼の3要素が分かっていれば簡単に理解出来ると思います。
基本的用語を覚えるのはちょっと苦労する方もいらっしゃるかもしれませんが、がんばって覚えましょう。
さて、燃焼には「可燃性物質」「酸素供給体」「火源(熱源)」の3つが必要でした。
消火ではそれらのうち一つ若しくは2つ、できれば3つ(欲ばり)取り除くことによって消火します。
それぞれ名前がついているので説明して行きます。
可燃性物質を取り除くことにより消火する方法です。
上記が主な例です。
水溶性の可燃物質に水を注ぐのは、一種の除去消火法なのですが、これは「希釈消火法」という名前で呼ばれています。後述のページで詳しく学習しますが、物・化学の出題箇所では名前と概要だけ押さえておきましょう。
酸素供給源を断って消火させるのが、窒息消火法です。
一般には空気を遮断します。
可燃性物質を泡消火剤などで覆うことにより空気との接触を遮断します。
泡消火剤は、一般的なものと水溶性液体用(耐アルコール泡消火剤)の2種類があります。水溶性液体用のものは、アルコールやアセトンなどの可燃性液体に用います。これらの液体の火災に、一般の泡消火剤は泡が消えてしまうため効果がありません。
また、不燃性の気体やガスで空間を満たすことによってもこの消火法は成立します。
いったん燃焼を始めると、可燃性物質自体の燃焼熱による可燃性ガスの発生、または加熱分解による可燃性ガスの発生により燃焼し続けます。
この可燃性物質を冷やすことにより可燃性ガスの発生を抑制して消火するのが冷却消火法です。
水が消火剤として使用されるのには色々と理由があります。
特に「蒸発熱、比熱が高い」というのは非常の効果があるます。水が燃焼物に触れると蒸発しますが、この時に周りの熱を奪ってゆくので冷却効果が高いのです。
「打ち水」によって涼しい空気を作るのも、この現象を利用してのことです。
ただし、デメリットもあります。
冷却消火がメインであるが、アルコール等に対しては除去消火法の一種である希釈効果による希釈消火ができる。
炭酸カリウムを水に混ぜてあるもので、冷却消火である。また、抑制効果もある。
燃焼物を覆うことにより空気と遮断する窒息消火である。また、冷却効果もある。
酸素濃度を低下させ、燃焼範囲以下とすることにより消火する窒息消火である。
また、抑制効果もある。
リン酸塩類の粉末を放射して燃焼物を多い消火する窒息消火である。さらに、化学的に燃焼物と酸素の結合を抑える抑制効果もある。電気火災に対応。
日本では一般に「フロン」と呼ばれる物質で、二酸化炭素と同様の効果がある。さらに、化学的に燃焼物と酸素の結合を抑える抑制効果もある。
電気火災に対応。
水、強化液は放出方法がいくつかあります。「棒状」「噴霧」「注水」等です。消火器では棒状と噴霧の二種類があり、対応する火災が異なります。
参考書等で学ぶことと、実際の消火に有効な消火方法には若干違いがり、私たちが懸念する部分ではありますが、試験と実際は違うと言うことを覚えておいてください。
一般的な火災に対応。
(油火災や電気火災には使用出来ません)
油火災に使用出来ない理由は、急激に水が沸騰して油もろとも飛び散る危険があることと、水を注いで油が浮いて流出することにより火災範囲が拡大する危険があるからです。覚えておきましょう。
一般的な火災と電気火災に対応。
(油火災には使用出来ないとなっていますが、実際の消火では初期消火や、小規模火災に対して有効とされています)
一般的な火災に対応。
(油火災や電気火災には使用出来ません)
全ての火災に対応。
(実際の消火では油火災の初期消火や小規模火災に対してしか有効ではありません)
紛らわしく「実務」での事も記載しました。
それは、これらが危険物取扱者として非常に重要なことだからです。こういった消火に対する正しい知識は、絶対に必要なことであり、これらを軽視した試験を執り行う試験センターは非常に嘆かわしいです。
一応、試験用の知識が無ければ正解出来ませんから、分けて考えてください。