危険物取扱者として知っておかなければいけない燃焼に関する用語があります。代表的なものは「引火点」や「発火点」等です。
これらは危険物のリスクマネジメントで非常に重要な言葉となりますので、しっかりと理解することが大切です。
可燃性液体の燃焼難易度は引火点で判断することができ、それが危険度でもあります。
引火点とは、その液体が空気中で、燃焼するのに十分な濃度の上記を液面に発生させる最低の温度のことをいいます。
可燃性液体の蒸気に点火源を近づけると、いつでも燃焼が始まるわけではありません。
通常は周りに酸素が無ければ燃焼が始まらないことはすでに理解されているとは思いますが、この酸素と可燃性蒸気がほどよく混合されていなければならないのです。
一般的には空気中での可燃性蒸気濃度をパーセンテージで表します。そして、燃焼に適した濃度の範囲を「燃焼範囲」、若しくは「爆発範囲」といいます。
ガソリンは、1.4~7.6%という極小量が空気と混合するだけで燃焼が始まるため、危険度が高いといえます。ただし、これが空気中に30%という位の高い濃度になると、燃焼は始まりません。
圧倒的に酸素量が不足しているのです。
また、第4類危険物の中で、最も危険な物質は、特殊引火物の二硫化炭素です。
1.3~50%という下限界の低さもさることながら、燃焼範囲が非常に広いことにより、燃焼が非常に起こりやすい物質といえます。
そして、この燃焼範囲の小さい数値の方を「下限界」といい、大きな数字の方を「上限界」といいます。
引火点と発火点は取り違えやすいので注意してください。学問的にいうと、引火点とは前項の説明の通り、点火源があることにより燃焼が始まる温度のことですが、発火点とは点火源がなくても燃焼が始まる温度のことをいいます。
実は、ガソリンは引火点が-40℃以下と低いですが、発火点は498℃と高く、潤滑剤として使用されているエンジンオイルなどは発火点が350℃前後のため、車のボンネットから火が出る事故などはオイルがまず発火し始めることが多いのです。
エンジンオイルが漏れ、マフラーに繋がる部分に付着すると発火するので、オイル漏れには注意しましょう。
燃焼点とは燃焼を継続させるための最低の温度のことをいいます。一般的には引火点よりも若干高い温度です。
さて、これら用語に関するピンポイントの問題も出題されるので、練習問題でしっかりと知識がためをしましょう。